マウス分解 (NEC MSU1218) (PC-VP-KB28)

NEC MSU1218 生活

 マウスポインタが動かなくなったとき、条件反射ですぐにマウスの底面を見ます。そんなときは決まって赤い光が出ておらず、マウスケーブルを本体のUSBポートから抜き挿しして直します。そんな私が、NECのパソコン一式に付属しているマウス『MSU1218 (PC-VP-KB28)』を使ってみると… 

NEC M/N:MSU1218 というマウス

NEC MSU1218 マウス
MSU1218。分解し、濃いめの中性洗剤水溶液に浸けて洗浄した後なのでピカピカです

 『NEC Mate J MJ32M/L-H』というスリム型デスクトップパソコン本体と一緒にこのマウスも頂きました。このパソコン一式に含まれていたマウスだったようです。
 現行のMateシリーズに付属するマウス『PC-VP-KB28』と、外見、ケーブルの長さ(180cm)、レーザーセンサー式であるという点で一致しています。また、この型番で2012年から売られているので、Mate J MJ32M/L-HとPC-VP-KB28がセットになっていても矛盾がありません。

MA-IHS(sanwa io minuto)との比較
MA-IHS(sanwa io minuto)との比較

 上の画像の左側は『SANWA オプトマウス イオ minuto』。この小さいイオを親指、薬指、小指のそれぞれの腹でのみ掴んで操作してきました。

MSU1218とMA-IHS
MA-IHSとMSU1218

  クリックする人差し指と中指を置く位置から、掌方向への全長がMA-IHSよりMSU1218の方が1.5cmぐらい長く、高さもあるので、掌にマウスが当たって違和感が…

まったく光を発しないマウス

MSU1218 底面
MSU1218 底面。S/Nの一部は消してあります

 MA-IHSは底面中心部から赤い光、ホイール部分から青い光をそれぞれ発します。MSU1218は問題なく使えていますが、どこからも光が出ていません。底面を見ると、光を発しそうな部分はあるが光っていない。いろいろ書かれているので読んでみると、『レーザー製品』とある。また、『INVISIBLE LASER PRODUCT』とも書いてあり、目に見えないレーザーを使っているのだとようやく理解できました。

レーザー式マウス初体験! 内部に興味

マウスのネジ隠し
マウスのネジ隠し

 マウスを分解するときに外さなければならない底面のネジの殆どがこのパターンで隠されていますね。半分剥がしてネジを外し、また貼り付けておきます。粘着物質が黒い方にだけあって、本体底面側には殆ど無いなら完全に剥がしてしまいますが、黒い方と本体底面の両方にあるなら、洗剤で本体底面を洗うときに粘着物質も落ちてしまうので、貼り戻した状態で洗った方が粘着物質が失われ難いのではないかと思います。

外すべきツメ
外すべきツメ

 底面のネジを3つ外すと、底面側と上側とに二分割されます。上側はさらに二分割でき、そのためには赤丸のツメを4つ、外側に向かって押して引っかかりを外します。4つのツメの引っかかりが外れると、ツメを押し込んで二分割できるのですが、水色の丸の部分が引っかかったら右側方向にずらします。

上側の上部
上側の上部

 これが外れた最上部、指先や掌に当たる部分です。このように二分割すると、この二つのパーツの隙間、溝に溜まった汚れを落としやすくなります。汚れていなければ分割する必要はないでしょう。

マウス二分割底面側
マウス二分割底面側

 こちらが底面側の内部。基板は2つのネジで固定されています。赤丸のところと、もう一つは右クリックのスイッチとホイールの間辺りに隠れています。

マウス基板の外し方
マウス基板の外し方

 2つの赤丸部分のネジを外すと基板が外せるのですが、水色の丸の部分が引っかかって基板が本体底面から上へ抜き取れません。水色の丸の部分の灰色の部分の隙間が、黒色の部分の幅よりちょっとだけ狭くなっているからです。黒色の部分を上方向に少し力を入れて引き上げると、灰色の部分が広がって通過できます。灰色の部分の弾力の範囲内なので壊れませんが、この際、黄色の丸の部分にある『小さなバネ』を紛失しないように注意してください。この記事に価値があるとしたら、この部分だと思うほど重要な部分です。水色の丸の部分を外すことに気を取られていると、この小さなバネが弾けてどこかへ行ってしまっても気付かないでしょう。ここにバネがあったことさえ気付かないかもしれません

マウス NEC MSU1218 (PC-VP-KB28)の分解
NEC MSU1218 (PC-VP-KB28)の分解

 基盤部分を分離できました。基盤以外の3つの樹脂パーツは洗剤で洗ってスッキリさせました。

平方マイクロスイッチボタン
平方マイクロスイッチボタン

 左右のクリックで使われているスイッチは正方形のタイプでした。『平方マイクロスイッチボタン』というのでしょうか。MA-IHSのホイールクリックで使われていたスイッチがこのタイプでした。

ホイールクリックとチルトホイールのマイクロスイッチ
ホイールクリックとチルトホイールのマイクロスイッチ

 このマイクロスイッチを見て、このマウスにチルトホイール機能があることに気付きました… マウス本体のホイールの左右に変なマークがあったのは、この機能を教える為だったんですね…

マイクロスイッチは交換可能
マイクロスイッチは交換可能

 使われているマイクロスイッチは、代替品が通販で入手できるタイプで、半田ゴテを使った作業もそれほど難しくなさそうです。

マウスの基盤
マウスの基盤

気付かぬうちに失った小さな部品のせいで使い物にならなくなるから分解作業は怖い

マウスホイールを浮かせるバネ
マウスホイールを浮かせるバネ

 こんなところに、こんな小さなバネが… しかも固定されずに存在しています。

バネの定位置
バネの定位置
ホイール下のバネの定位置
ホイール下のバネの定位置
小さくても重要な役割を担っているバネ
小さくても重要な役割を担っているバネ

 マウスの底面にある『+』印と、ホイールの下側にある『+』印の間に小さなバネが収まっています。このバネの働きによって、ホイールクリックされるとホールが沈んでマイクロスイッチが押され、離すと再びホイールを浮上させます。この小さくて非力そうなバネが失われると、もうこのマウスは使い物になりません。 

 再度組み上げる時に、この定位置から外れないように注意が必要ですホイールが定まらない状態でひっくり返したりするとバネが外れてしまいます。定位置に収まっている上の画像のような状態で本体上側部分を被せてホイール位置を固定し、底面部分と上側部分が二度と離れることがないようにしっかりと掴みながら裏返してネジ止めします上側部分を被せた状態でホイールクリックしてみて、バネの収まりを確認してからネジ止めしましょう。

 私は以前、雑然とした机の上で分解作業をし、なかなか外れない部分を外そうと力を入れ、外れた勢いで小さな部品が飛び、それを探すのに何時間もかかったという苦い経験をしています。部品が飛んだ瞬間にそれが視界に入ったからまだマシです。視界に入っていなければ、飛んでいったことにも気付かず、部品を欠いたままなのですから… 飛んだ部品が極小ですと、どんなところに入り込むか分かりません。無音状態で作業していれば、部品が落ちた微かな音でも助けになりますが、今回のような軽いバネだと音も立てないでしょうね… 経験にすら学ばず、また同じ過ちを犯すところでした…

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